小林國雄さんが運営するBONSAI美術館「春花園」へ
春花園 盆栽美術館
目次
盆栽は日本の伝統文化を表現する代表的な芸術作品です。世界最古の国である日本が示すことのできる生きたアートとして、いま新たに世界から注目を浴びています。壮大な自然の景色を創り出す芸術作品を感じに、盆栽界の巨匠である小林國雄様の「春花園BONSAI美術館」へ1人のファンとして、2016年7月18日に東京都江戸川区新堀へ訪れました。その春花園で感じた魅力をお伝えいたします。
盆栽作家 小林國雄様
日本盆栽作風展にて内閣総理大臣賞を四度受賞されている小林様。16回の国風賞を手掛け、200人以上の国風展入選者を育てられています。盆栽の表情らしさを世界に広めたいとの願いから、日本のみならず、海外からの弟子育成に励んでおられます。筆者は以前からメディアを通し小林様の存在を存じておりました。人々を魅了する洗練された技術と温かいお人柄に魅力を感じ、その感覚に触れさせて頂きたいと考えていました。
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盆栽作家と写真作家の考察
写真作家(写真による記録または創作的表現を行う者)として、自分の心に響く情景を写真で表現するのと、盆栽作家として年月をかけて盆栽を育て上げるのではどのような違いや共通点があるのだろうという問いを解決したく訪れました。筆者は水墨画、水彩画、版画など分類を問わず感化される場所へ訪れるようにしています。
春花園さんにお電話はさせて頂きましたが、突然の訪問にも関わらず小林様は私を信頼してくださり撮影までさせて頂くことができました。長時間もの間、盆栽や写真について様々なことをお教えくださったことをとても心嬉しく思いました。
才能よりも大切なのは努力
梅雨明けの30度の炎天下の日。小林様は盆栽への愛情を込め流す美しい汗を額にかきながら、手を止めることなく私にお優しい笑顔でこうお教えくださいました。「二見さん才能よりも努力がなによりも大切なのですよ」「技術だけではなく人として魅力的になろうと努力することも大きな価値があります」「自分以外の人は全て師だと考えてみてください」。小林様は現在も1日15時間も働かれている方です。そのような本当の好きを感じさせて頂ける方からお聞かせ頂くお言葉は胸に響きました。
小林様から賜った贈り物
お仕事の途中でお忙しいにも関わらず、小林様は筆者を春花園の休憩場所にお誘いくださいました。その中で、盆栽や写真の空間の使い方や個性の出し方をお伝えくださいました。高価な作品集である『盆栽芸術 天―小林國雄の世界』まで賜ることができました。
表紙をめくった次ページには、筆者の名前を丁寧に書いてプレゼントをしてくださったのです。ありがたいですね。とても高名な方なのに、私のような若輩者に対してもこのような心配りをしてくださるお人柄が、国内・世界を問わず人を惹きつけるのだと感じました。
春花園BONSAI美術館フォトギャラリー
盆栽作家として日本の魅力をヨーロッパの各国を始め中国など世界中から多くの講演会に招かれる小林様。春花園さんでは技術やお人柄を求めて多くの人々が集まってきます。ここからは筆者が接しさせて頂いた、春花園さんで働かれている盆栽作家の方をご紹介いたします。
1.作品名:4年目の汗
春花園さんで修行されている4年目のお弟子さん。「美味しいスイカを食べませんか」と筆者にご馳走してくださり大変良くしてくださった方です。汗を流し肩に土汚れをつけながら懸命にお仕事されているお姿が筆者にはとてもカッコよく映りました。
2.作品名:人の繋がり
春花園さんにお手伝いに来られていた盆栽職人さん。筆者は写真家として撮影する際は必ずお一人お一人にお声掛けをしたうえで撮らせて頂きます。それが礼儀だと考えます。職人さんは「俺なんて撮らなくていいよ」と笑いながら撮影させてくださいました。
3.作品名:未来への眼差し
真剣な眼差しで盆栽に向き合うお弟子さん。ご挨拶させて頂いた後に少しご質問させて頂く時間がありました。松の向きを変えている作業中です。懸命に働かれているお姿は写真家として撮影したくなりますね。
おまけ:穏やかなくろちゃん
春花園さんの横門を立派に守っているくろちゃん。お嬢さんと仲良くなりお名前を教えてくれました。16年間一緒に暮らしてきた愛犬を亡くしペットロスを抱える筆者には穏やかな時間となりました。お利口な良い子です。くろちゃん長生きしてね。
最後に
少年時代に日本の伝統的な庭園である和風庭園を備えた家で育った筆者にとって盆栽は特別な存在に映ります。草木の香りや風情ある情景。そこに心が打たれます。今回、メディアを通しずっと拝見させて頂いていた小林様にお会いすることができ、なおかつ撮影までさせて頂き光栄な時間でした。この記事では春花園さんで働かれている盆栽や自然や芸術を愛する素敵な方々を特集いたしました。また訪れられる機会を楽しみにしています。さらには「FUURYUU / 風流」を見て訪れたくなったという方が生まれましたら幸いです。小林様、皆様。貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。