高柳伸予さん写真展 / 風ひとしずくへ
美しい感受性の女流写真家
目次
同じ作品展に二度出展し交流させて頂いた友人の写真展。SIGMA(シグマ)の公式サイトでも紹介された「高柳伸予×岡下明宏 写真展 / 光の輪郭へ」に続いての鑑賞となりました。2016年8月28日に白山のフフランス菓子エリティエ(Heritier) さんへ向かいました。「風ひとしずく」。美しい感受性ですよね。聞き惚れと言えば良いのかな。ここでは、筆者が感じた作品と言葉の魅力をご紹介致します。
聞き惚れる音色
写真はタイトル(画題)がとても大切だと考えます。筆者は今までほとんどの写真にタイトルを付けてきました。第一の目的は伝える力を伸ばすためにでしたが、作品として昇華されたタイトルは鑑賞者の心に響くと考えていたゆえです。感覚的には90点の写真がタイトルとの相乗効果によって100点にも80点にもなるといった感じでしょうか。それくらい重要だと思っています。それゆえ、自分には無い感性や感覚を持っている方の作品に触れるのが好きです。まさに、伸予さんは聞き惚れる言葉・音色を届けてくれる方です。
光の風のまほう
夜のうちに光の風が通りぬけたら、花たちがおしゃべりを始める朝が来る。
こちらは作品に添えられたキャプション(写真に添えられた説明文)です。筆者の胸に響いた最大の一文となりました。作品をイメージとして掲載できないのは少しもどかしいですが、短い文章の中に物語を感じることができますよね。夜(外が暗い日没の後をイメージ)に光の風が通りぬけたら(横切るあるいは突き抜けていく)、花たちがおしゃべりを始める朝が来る。(花の擬人化+創造的思考)。伸予さんは一枚一枚を鑑賞者に消費させるのではなく、大切に感じて欲しいと考えられている方です。自分自身に通ずるものがあるので、とても共感でき素晴らしい時間を過ごせました。
風ひとしずく
切りとる景色に 風、ひとしずく。今回はいつもお世話になっているフランス菓子エリティエさんで展示をさせていただけることになりました。昨年春にグループ展「les couleurs」に参加させていただいて以来のこの場所で、暑い季節にすこしの涼を感じられるようなものをあつめてみました。風は目には見えないけれど、いつのまにか私たちの気持ちを癒してそっと通り過ぎてゆきます。こころのなかにも、風、ひとしずく。そんな時間を、色鮮やかでおいしいお菓子と一緒に楽しみにいらしてください。
写真家 高柳伸予 / Nobuyo TAKAYANAGI
1975年5月、東京都墨田区うまれ。デジタル一眼レフを初めて使ったのは2010年頃。動画の撮影をする、という仕事の現場で「撮影風景を撮っておいて」と言われて手渡されたのがPENTAX k-m。人出が足りなかったせいで使ったことのないカメラをどうにかして使うことになり、結局そのカメラを譲り受けて個人的に使い続けた… というのがカメラ歴のはじまりと呼べるものである。絵本や童話のなかに感じられるような「空気」がのった写真を撮ること、が今のテーマ。
プロフィール
写真展の様子
会期
会 期 2016年7月1日(金) – 8月31日(水)
会 場 フランス菓子エリティエ(Heritier)
東京都文京区白山2-29-6
Tel 03-3868-0512
営業時間 10:00~20:00
定休日 不定休
アクセス
最後に
合同展を含めると伸予さんの作品に直に触れ合ったのは5回目くらいになるかと思います。これからも変わらずに伸予さんのクリエイティブを感じさせて頂きたいと考えています。ならびに写真展会場として選ばれた「フランス菓子エリティエ(Heritier)」さんはアートを愛するお洒落な洋菓子店です。お店の奥にはサロンも設けられています。 お店で焼いたキッシュやパイを使用したプレートやショートパスタなどの美味しいお食事も用意されています。 前回に続き心地良い時間を過ごさせて頂きました。是非、お近くの方は足をお運びになられてみてください。