ニコンプラザ新宿 加藤國子さん写真展 / 杜(もり)へ
新宿エルタワー28階ニコンサロンで開催中
目次
2015年3月4日に作品のサイン入れに東京都中央区京橋へ行ってきました。その後、巣鴨、新宿と移動し新宿エルタワー28階ニコンサロンで開催されていた加藤國子さん写真展 「杜(もり)」へふらっと訪れました。筆者が初めて手にしたのがNikonのカメラゆえです。写真展では実際に加藤國子さんとお会いしお話しさせていただき、優しく作品をご説明くださりとても良い印象を抱きました。これも1つのご縁なのかも知れませんね。
46枚のモノクロで表現した「杜(もり)」
筆者はモノクロームという写真の表現方法を好み、ずっと取り組んできています。写真展 「杜(もり)」は46枚のモノクロで表現された写真展でした。ひとつひとつの作品には日本の縦軸の歴史や風習・文化が魅力的に切り取られています。タイトルやキャプションがつけられておらず、撮影者の加藤國子さんにご質問させていただきました。すると、「この会場すべての作品で杜(もり)の表現なのですよ」とお話しいただけました。
2つの視点
撮影者様とこのように会話をすることで作品をより理解することができ、お教えいただけて良かったなと感じました。写真展へ実際に足を運ぶことで、撮影者の視点と写真を楽しむ来場者の2つの感覚を磨けることが嬉しいですね。小さな頃から神道や仏教が好きな私は、ゆっくりしながら素晴らしい時間を過ごすことができました。心地良い空間をありがとうございます。
鄙びた里の鎮守の杜
作者は鄙びた里の鎮守の杜の思いがけない美しさに魅せられて、この8年ほど滋賀県内の観光客の訪れることもないような神社を訪ね歩き、撮影してきた。どこの神社も集落の人の月当番が落ち葉を掻き、下草を刈り、本殿や拝殿の掃除を怠りなく、清らかに守られていた。
この小さき島国は、歴史始まる以前より台風や地震、それに伴う大雨、洪水、津波や地滑りなどの天災に遭遇してきた。古事記などに記される神々については研究している人に任せ、作者は、神社というのは、抗いようもなく再々繰り返される災害への恐れから、安らかに暮らせる日々を願う人々の祈りから始まったのではないかと思っている。
近年もテレビで映し出される未曾有とか想定外と表現されるような阪神の震災、東北の震災など、近くは御嶽山の噴火の様子に胸がつぶれる思いをした。神戸の震災の折に目にした風景に、作者は、神はこんなことをしていいのかと胸が震えたが、そう言いながら、やはり神戸の生田神社は思いのほか早々と再建され、年の初めには、またの穏やかな1年を神に祈る初詣の人でにぎわっている。
抗いがたい天災に、神頼みではどうにもならないと知りつつ、それでも頼りたい、頼ってしまう、そんな人々と神々のつながりの長い歴史を思いつつ撮影した作品である。モノクロ46点。
写真展情報より
PROFILE
会期
会 期 2015年3月3日火曜日~2015年3月16日月曜日
会 場 新宿ニコンサロン
東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
時 間 10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
休 館 会期中無休
入 場 無料