人との繋がりが育まれることで魅力的な写真が生まれる
本当の好きを真似ぶ
目次
「春花園BONSAI美術館」で出会った小林様とのお話。私のような若輩者に対しても、お優しい笑顔で真摯に撮影に応じてくださりました。こうやって本当の好きを感じられる方と時間を共有させて頂くと、新しい考えが湧き出てきます。この記事では、魅力的な方との出会いによって生まれた心境の変化についてご紹介させて頂きます。
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盆栽作家 小林國雄様
1.30年後~50年後にも
人生は短距離走ではなくマラソンだと考えます。これは人生だけではなく写真にも当てはまります。瞬間的に輝くことよりも、二十代、三十代、四十代と走り切ることに意義があると考えます。春花園さんでは一人前になるのに6年間かかるそうです。この期間を通して盆栽作家や1人の人間として成長を目指されています。一人前になるのには時間がかかるということですね。写真家としてこれからも健康であれば、30年間~50年間を写真に向き合うことができます。この時間を通して私は何を感じて得ていくことができるだろう。
2.まっさらなスタートから
ただの写真好きの兄ちゃんから、Googleが提供するプロジェクトの中で自分のできる範囲で日本の魅力を届けるクールジャパン活動を行ってきました。その姿をずっとご覧くださっていた先駆者の方の心遣いによって、グループ展にお呼び頂き、写真を通して同じ好きを共有することができる方々と繋がることができました。そこには、共鳴し合える喜びがありました。
3.完全ではないと知りながらも
常に通過点であること、不完全であることに気付きながら、時に自分自身の弱さに負けながらも写真に向き合い触れ合ってきました。大切な愛犬を亡くし痛みに耐えられなくなってしまった時は3ヶ月間撮影を休みました。愛犬を家族のように接し共に暮らしてきましたので喪失感は大きなものでした。私は強い人間ではなかったと知りました。その中で届いたある場所からの撮影依頼。そこには、深い意義が込められていました。
4.間違ってはいなかった
写真は自己表現としての側面も備えています。撮影者や表現者としてのプライドを高く持たれている方もいます。今までの自分の行動が100%正しいなんて確信はありませんでしたし、写真家はこうあるべきだという既成概念を持たれている方もおられると思います。だけれども、人に評価されるためや、誰かに勝ちたいという思いで撮影を続けてきたことはありませんでした。本当の好きだからこそ続け届けることができたのだと考えます。
5.専門性と汎用性を見つめ
これからは写真家として専門性と汎用性のどちらを重視していこうかと悩んでいました。1つのことに対し高度な知識や技術を得ることも魅力的ですし、応用の効く幅広い技術を身に着けていくことも必要だと感じていました。どちらもメリット・デメリットがあります。風景写真を専門にする方、動物写真を専門にする方、幅広い対象を撮影できる方など人によって様々です。”あなた”とは、”私”とは一体何でしょう。
答えは日々変化してゆく
都市を撮りたい日もあります。自然・風景を感じたい日もあります。道端に健気に咲く草花に心打たれることもあるのです。楽しく会話しながら笑顔を引き出し心を通じ合わせるポートレート撮影もグッときます。ただ、絶えず変わらないのは、日本の歴史や文化や伝統や人々を私というフィルターを通し撮影し、国内・世界を問わず届けていくこと。汎用性を重視してきたのかもしれません。それが今までの本当の私でした。
最後に
魅力的な人と繋がることができると自分自身を再確認することができます。「あっ、私は人と触れ合いながら共に作り喜びあえる撮影がこんなにも好きだったのだな」と。これからどんな道のりを歩んでいくかはわかりませんが、その進んでいく道が内面から表現できた写真家としての歩みになるのだと感じています。その時が自分が納得できる完成形なのかも知れませんね。
人真似ではない、本当の”あなた”や”私”を表した1枚を求め、純粋な好きを共に追求してゆければ素敵ですね。方法論に興味がある方は、その1つとして「理想の写真の撮り方・心に響く被写体(撮影対象物)の探し方」をご覧ください。