ニャンだって!? 1回写真を公開したら消せないネット上における投稿の心得
プライバシー管理
目次
あなたがネットに公開した作品は共有・拡散され半永久的に消すことが難しくなってしまいます。この現象を入れ墨に例えて「デジタルタトゥー」と呼ばれています。表面上のデータは削除することができたとしても、サーバーに保管されてしまって完全に削除できなくなってしまうからです。そこで今回はインターネットに慣れていない写真家の方でも、安心してネット上に作品を投稿できるよう必要な5つの心得をご紹介します。
1.検索エンジンとは
まず最初に理解しておく必要があることは「検索エンジン」についてです。検索エンジンはあなたが普段気になることや興味があることを検索している場所です。PCやスマートフォンのブラウザから開いています。あなたが写真共有サイトに写真を投稿してから検索エンジンが認識するまでには以下の3つのステップがあります。
1-1.検索エンジンの牽引者
1-2.検索エンジンの仕組み
- クローリング:検索エンジンがウェブ上ページの情報を収集する。
- インデックス:検索エンジンがデータを検索エンジンデータベース登録する。
- ランキング:検索エンジンがあなたの写真の検索順位を決める。
1-3.SNSでの公開設定
FacebookやGoogle+やTwitterなどのソーシャルメディアに写真を公開した場合、上記の手順を踏んでGoogleやYahoo!やBingなどの検索エンジンに情報を収集されることになります。ネット上に写真や情報を投稿する場合には、設定条件を必ず確認しておくことが重要です。
各SNSには「公開」、「友人だけに公開」、「非公開」(限定)などがありますので、公開範囲を間違えないよう心掛けましょう。もし間違えてしまった場合は、友人と羽目を外している姿を全世界の人に自分の情報をさらすことになります。
2.時代は共感・共鳴・共有の3Kに向かっている
実は、写真共有サイトやSNSの公開範囲を「友人だけに公開」、「非公開」(限定)などに設定していても、完全にプライバシーを守ることはできません。1つの例として人気の画像まとめ・投稿共有サービスのPinterest(ピンタレスト)があります。このサービスを使った場合、Webの知識があまりない初心者の方でも簡単にお気に入りの写真を自分のボードに登録することができてしまうのです。
2-1.Pinterest (ピンタレスト)
下記の画像は筆者の写真を個人的にまとめたボードとなりますが、同じように世界のどこかの誰かが私の写真に共感・共鳴し共有されるのです。検索フォームで、あなたの名前を検索してみれば幾つかの写真が出てくるかも知れません。
2-2.写真の行く末
もし、納得いかない写真や友人と羽目を外している写真を共有されてしまった場合、それは嫌がらせでなかったとしても消すことが難しくなります。例え、その方に消去してくださいと依頼し承諾いただけたとしても、すでに違う方に共有されている可能性もあるからです。
さらには、Pinterest(ピンタレスト)ではなく、Tumblr(タンブラー)や画面キャプチャとして保存している方もいることでしょう。写真を投稿する以上、実は公開範囲は関係なく私たちはリスクを負ってサービスを利用していることを認識するべきなのです。これらの事柄を踏まえた上で、ソーシャルメディア型の写真家として立ち居振る舞いを覚えていくのが効果的です。
3.スマートフォンで撮影した写真を投稿するルール
彼氏の位置を特定する「カレログ」が人気を博したことが記憶に新しい昨今、あなたが利用するスマートフォンやアプリケーションには時間と位置という要素を手軽にチェックできる機能が備えられています。これは第三者が簡単に誰がどこにいるか分かるサービスです。メリットも大きい反面、プライバシー侵害と背中合わせなのは書くまでもありません。筆者は、iPhoneで撮影した画像は必ず位置情報やプライバシーに関わるデータは消しています。
FacebookやGoogle+などのSNSにおけるスマートフォンで撮影された写真を見ていると、Exif情報を理解していない方が多いことが見受けられます。それは残念ですしリスキーです。掲載した写真のように自宅で撮った動物・ペットやプライベートの写真をネット上に公開する場合には、位置情報から自宅住所まで判明してしまいますので、必ず消去してから投稿するようにしましょう。撮影した写真の位置情報を削除できるLoooksが無料かつ簡単でおすすです。
3-1.Exif情報について
Exif (Exif Print)
Exif(「イグジフ」もしくは「エグジフ」)とはこの画像ファイルを記録するための形式(ファイルフォーマット)を規定したものです。 これは旧(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)(現 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA))が提案・策定したもので、ファイルシステムの規格であるDCFと併せて、世界のほとんどのデジタルカメラはこのフォーマットを使用しています。 出展:Exif Printとは [Exifとは] – CIPAより
3-2.Exif情報の削除方法
スマートフォンで撮影する写真に位置情報を付けないための設定
【iPhoneの場合】
「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」で「カメラ」を「オフ」に
【Androidの場合】
カメラアプリを開く→メニュー→設定→設定→「GPS」タグを「オフ」に
Exif情報は、Exif Reader – デジタルカメラデータ解析ツールなどを使うと簡単にチェックすることができます。
4.クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)の設定
Flickr(フリッカー)を利用したことのあるユーザーなら、この言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。どのような写真共有サイトやSNSも時代は共感・共鳴・共有の3Kに向かっています。写真を安全・安心に楽しみたいと考えているユーザーなら一度は目を通しておいても損はないでしょう。Choose a License – Creative Commonsでは、簡単にあなたの希望通りの公開・共有設定をチェックすることができます。
クリエイティブ・コモンズとは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。CCライセンスはインターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、様々な作品の作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」という意思表示をするためのツールです。
CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。 出展:表示/非営利/改変禁止 – クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとはより
5.検索エンジンの仕組みを正しく理解すること
「写真を多くの方に見てもらいたい」と行動する前にインターネットの仕組みを理解していないと、写真共有サイトに投稿することやSNSで他者とのコミュニケーションをとることが難しくなってしまいます。
繰り返しになりますが、私たちは一定のリスクを負いながら写真家としてネット上に公開しています。作品を公開している以上、他者からの批判にも耐える精神力が必要です。しかし、写真家として叱咤激励していただけるのは嬉しいことですが、それがプライベートやプライバシーのことまで及んでしまっては楽しく進めてゆくことができません。
ゆえに、インターネットの仕組みを正しく理解し、ソーシャルメディア型の写真家としての立ち居振る舞いをしっかり踏まえた上で撮影や投稿をしてゆけば、あなたには安心感が生まれ、世界や多くの方とつながれるSNS時代を楽しく過ごしてゆくことができます。
最後に
すでに写真や自分に関する情報が含まれたウェブページなど、Google の検索結果から情報を削除したい場合にはこちらのページから申請しましょう。「Google からの情報の削除 – ウェブ検索 ヘルプ」へ。
まずはサイトのウェブマスターに連絡してくださいと書かれていますが、連絡方法が記載されていない場合や彼らが応答しない場合には、上記ページから削除依頼を行うことが可能です。現在、Yahoo!検索エンジンはGoogle社の検索エンジンを使っていますのでGoogleで対策できればYahoo!でも問題ありません。
インターネットを理解し安全に利用することで、あなた撮影した感覚・感性は世界に届けられ多くの共感・共鳴を得られるのです。それはとっても素敵なことだと思います。かけがえのない新しい友人や仲間もできることでしょう。常に、あなたの安全と安心とより良い未来の為に役立つ記事となれば幸いです。