意外? それとも順当?プロ写真家とアマチュア写真家の違い
プロ写真家
目次
あなたがSNS(ソーシャルメディア)型の写真家として行動し一定のファンや認知度が広まってくると、「プロ写真家はさすがですね」とか「プロが撮ると違いますね」などと言われることが増えてきます。このような場合、どのようにフォロワーへ伝えるのがベストだろう。紐解いてみよう。
1.プロと良い撮影をするアマチュアの写真の違いは無い
世界に開かれたナショナルジオグラフィック(National Geographic)の写真を中心に見てきた限り、私見ではプロとアマチュアの写真の違いはありません。良い写真にはプロもアマチュアも関係無いのです。肩書きは関係なく、その写真の訴求力や表現力で感じ方が変わってきます。
あるとすれば意識の違いなのだろうと思います。アマチュアは自己満足、プロフェッショナルは顧客満足となります。ただ、プロとアマチュアの立場はハッキリと異なります。プロフェッショナルな写真家は作品とフォトグラファーとしての自分をマネジメントできており、作品や撮影するというサービスを販売し収益を手に入れることができる人なのです。
反対にアマチュアとは作品や撮影するというサービスで収益を得ることができない人と解釈することができます。実は、プロよりも長年カメラに触れてきたお爺ちゃんカメラマンの方が知識や経験や技術があるかもしれません。しかし、プロとしての自分をマネジメントできているかできていないかという部分だけで、アマチュアとプロフェッショナル写真家の違いが生まれるのです。
2.機材についての違いも無い
デジタル一眼レフカメラには「エントリー機」、「ミドルクラス機」、「ハイエンド機」、「フルサイズ機」など種類が分かれていますが、職業写真家だけが高級機を使っているというわけではありません。夏のお祭りの撮影に行ってみると、最新のカメラやレンズを揃えた熟練のアマチュア写真家達をたくさん見かけることができます。
筆者は静岡県沼津市でシルエット撮影をしている際に、1人のお爺ちゃんカメラマンと仲良くなり家へご招待されました。訪れてみると大豪邸で和室の部屋一面に年代物から最新のNikonのカメラとレンズまであちこちに置いてありました。
玄関には高そうな額縁に飾られた複数の写真が展示されていたのが記憶に強く残っています。その方は雑誌やコンテストに応募するのがご趣味のようで、インターネットには全く興味が無いようでしたが、長年カメラを愛してきたアマチュア写真家の想いと力強さを感じました。
すなわち、プロとアマチュアの機材についての違いは無いのです。それはカメラだけではなくモニターや撮影機材なども変わりありません。一眼レフではなくミラーレスカメラやコンパクトデジカメやスマートフォンでさえ、良い写真を撮れるのです。そこにプロ・アマは関係無いのです。
3.時代はハイアマチュアを求めている
iPhoneやGalaxyなどに代表されるスマートフォンの台等によりデジタル化は進み、世界中でアマチュアカメラマンが生まれました。今後もこの流れは変わらないでしょう。そして、彼・彼女らはインターネットを駆使し作品を簡単に発表できます。
現代に生きるフォトグラファー・写真家達はFlickr(フリッカー)や500pxなどの世界的な写真共有サイトを眺めてみれば、プロフェッショナルとアマチュアの違いが見分けにくい混沌とした流れの中にいることが理解できるはずです。まさに今、フィルムからデジタル技術の進歩とインターネットの普及という大きなトレンドに乗りこなせる、アマチュアでもなくプロでもなくハイアマチュアを時代は求めているのです。
ハイアマチュアは写真歴が比較的長くハイレベルな撮影技術を持ち合わせた写真家です。職業写真家だけが写真家ではないはずです。アートやクリエイティブは誰にも開かれたものでなければなりません。職業写真家ではないと卑屈になることはなく、時代の流れや波に乗りながら、「私は写真家です」と名乗るのが健全だと考えます。
4.クライアントがいてこそプロとしての価値が生まれる
時代はアマチュアとプロの間のハイアマチュアを求めていたとしても、常に評価はプロがされることとなります。それは一体なぜでしょうか。なぜならアマチュアは自己満足、プロフェッショナルは顧客満足だと仮定すると、作品の販売・撮影依頼があってこそ写真家としての価値が高まるからです。そこに需要があるからこそプロ写真家として評価され認知度や知名度が高まってくるのですね。
撮影を愛する写真家にとっては、プロ写真家はいつの時代も憧れの存在です。ただ、フォトグラファー・写真家には免許や資格が必要ありませんので、ストックフォト型のフォトグラファーとして売れる写真が撮れればプロ、写真を撮ることを生業にしていればプロという様々な見方があると思います。基準はとても曖昧です。
5.撮る人へ―より楽しむためのマネジメント
筆者はインターナショナル・フォトグラフィー・アワード(The International Photography Award)という世界的なコンテストで写真を応募する際、プロフェッショナル部門とノンプロフェッショナル部門の2つのうちから、前述のプロフェッショナルで応募しようと考えていました。それは奥深い経験を得るためにでした。しかし、収入の50%程度を写真によって得ていなければ前提条件は外されず応募を諦めました。
ノンプロフェッショナル部門もクオリティーは何ら劣らないと感じるのですが経験則として、この際に、作品を対価にすることの価値やプロ写真家としての自分をマネジメントできているかという課題を学びました。現代の写真家にはマネジメント能力が必要なのです。
最後に
なぜ、私がプロ写真家とアマチュア写真家の違いに深い興味があるのかというと、もちろん理由があります。
ポートフォリオサイトを作りフォトグラファー・写真家としての想いを届けるには多くの方に共感して頂けるコンテンツを作り続けることが重要です。そのためには、写真だけではなく文章の力も合わせてプロ・アマ関係無く写真家さんやクライアントに対し伝える力が重要だと考えているからです。
ここでご紹介したものは1つの考えに過ぎず万人に繋がる答えではありません。しかし写真の世界をひとつずつ進んでいる最中の私にとって、非常に多くの学びや気づきを与えてくれました。同じ様に、問いを抱える方に役立つことができれば幸いです。
飛世真博
はじめまして
僕が作った梅の写真の撮り方に関するYoutubeに「これが、プロ?」というコメントが付いたので(僕はPhotographerですが、プロとは自称していません)[Photographer、プロ、アマ]で検索してココに辿り着きました。写真に対する考え方や取り組み、特に桜の写真、素晴らしいですね!これからも、ご活躍期待しています。
Masahiko Futami
飛世様。はじめまして。温かいお言葉嬉しく思います。貴重なご意見をありがとうございました。共に楽しみながら写真に触れていければ素敵ですね。