写真キュレーションの時代。波に乗るメディアのテイクオフ
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目次
いま、新しい価値を構築し共有する「キュレーション」という手法が注目されています。有益な情報も無駄な情報も溢れる現代社会。無数の情報の海の中から才能を持ったキュレーターの役立つまとめセンスは新しい価値を創造します。フォトグラファーにはどのようなメリットがあるだろう。そこで、今回は写真家がキュレーションを活用し、国内・世界問わず自分の感覚・感性を伝えるために必要なメディアとアイデアをご紹介します。
キュレーション(curation)とはなにか
「キュレーション」(curation)とは、情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味します。 もともとは美術館や博物館で企画展を組む専門職のキュレーター(curator)に由来する言葉ですが、キュレーターが膨大な作品を取捨選択して展示を構成するように、インターネット上にあふれる情報やコンテンツを独自の価値基準で編集して紹介するサービスもキュレーションと呼ばれ、IT用語として広く使われています。
なぜ、キュレーションされると有意義なのか
あなたが写真家として自分の作品を多くの方に見て貰いたい状況であった場合、最も効率の良い方法はあなたの作品を多くの人に紹介して貰うことです。1日は24時間であり時間は誰にも平等ですから写真にかけられる時間は限られています。それゆえ、1人の力ではなく多くの支えてくれるファンやキュレーターの力が有意義になってくるのです。
次世代携帯電話
時代は進みスマートフォンを愛用するユーザーたちの多くは情報を検索エンジンから調べるのではなく、キュレーションメディアから得るようにシフトしています。機械ではなく手動によってまとめられた情報は、同じ価値観を持つ人々にとってありがたいものですから、この流れは変わらないでしょう。
写真キュレーション例
次のキュレーション例を見て欲しい。これは筆者が撮影した作品を世界のキュレーターが独自の価値観を元に構築したものです。筆者の1枚の作品に多くの写真家の作品とコラボレーションすることになり新しい魅力が生まれています。善意のある素晴らしいキュレーションメディアは写真家にとって魅力的です。
- Japón Entre Amigos
- Las fotos más vistas #19 – Japón Entre Amigos
- 2014 National Geographic Photo Contest, Week 7 – AvaxNews
代表的なキュレーションメディア
すでにキュレーションの時代を先取りしたウェブサービスが国内・海外ともに存在しています。21世紀の新たな流れは、共有・共感・共鳴であることは間違いありません。大きなメディアではなく個のつながりによって、人と人がより感化していくのだろうと思います。
- nanapi [ナナピ] | 生活の知恵があつまる情報サイト
- NAVER まとめ[情報をデザインする。キュレーションプラットフォーム]
- ツイッターをまとめよう – Togetterまとめ
- クリエイター・デザイナーのためのポータルサイト – クリエイターズバンク
- Pinterest (ピンタレスト)
写真家がキュレーションされやすい3つのメディア
筆者は2011年から複数の写真共有サイトやメディアを利用してきています。その中でキュレーションされやすいのは下記の3つです。
「Flickr(フリッカー)」は世界的な写真共有サイトであり、「500px」はクオリティーの高い作品を求めたキュレーターが集まります。「Tumblr」はリブログという共有の新しいカタチを提供するサービスですので、一度共有されると爆発力が大きいですね。1つのSNSに固執することなく、複数のSNSのメリットを体感してみてください。Flickrについてより詳しい情報はこちらから。>>世界基準のカメラマンがFlickr(フリッカー)を使う3つのメリット
広く浅くよりも狭く深くの方が良い
SNSでの認知度や熟練度が数値化できたと仮定した場合、3の数値のSNSをたくさんつくるよりも、たった1つだけでも8や9など数値が飛び抜けているSNSにした方がキュレーションされやすいです。すでに名前が知られている写真家さんでも手がけるすべてのメディアで最高峰の結果を出すのは難しいです。それゆえ、狭く深く好きになれるSNSを見つけましょう。その場所を起点として広がってゆきます。
最後に
キュレーターは自らのメディアにとって有益なページとなるような写真を探しています。 つまり、付加価値が付いた優秀なキュレーションを求める場合、何よりも私たちは先に魅力的な写真を撮影しSNSやブログなどにアップする努力をする必要があるということですね。 撮りっぱなしではもったいないです。そして、同じ感受性を持ったファンやキュレーターに届けることが大切となります。今後も良質なまとめコンテンツは多くなってゆきます。 その為に、まずは今までの1枚よりも圧倒的に良い1枚を撮影することを楽しみながら集中しましょう。