写真表現を広げる日本の伝統和紙(わし/わがみ)いろいろ
表現の違いを楽しめる和紙
目次
和紙は日本が世界に誇れる伝統技術。1,000年以上培われてきた長い歴史を誇ります。洋紙が普及した現在でも、和紙特有の趣が注目されてきたことから、撮影した写真をプリントして楽しめるようになりました。そこで、ここでは写真表現をさらに広げられるように、和紙の魅力と和紙通販サイトをご紹介します。
和紙の原材料
和紙は原料別に「楮紙(こうぞし)」「三椏紙(みつまたし)」「雁皮紙(がんぴし)」の三種類に分けられます。この三種類を基本として産地や製造法により様々な種類の和紙が生み出されています。
1.楮(こうぞ)
価格、品質、量の安定供給がなされているため重宝されています。
2.三椏(みつまた)
繊維が柔軟で細くて光沢を含み印刷適性に優れています。
3.雁皮(がんぴ)
虫害に強く耐久性も備えていますが栽培が困難なためごく僅かしか生産さていません。
和紙の製造工程
和紙づくりは大きく3つの工程に分けられます。「原料を処理」→「原料を加工」→「紙漉き(かみすき)」です。美濃和紙と伊勢和紙を作る動画をご紹介します。音楽も心地良く見ているだけでも和紙の魅力を楽しめますね。
美濃和紙 – 岐阜県
伊勢和紙 – 三重県
1.和紙の専門店「うるわし」
「うるわし」は、和紙と暮らしのよみもの&オンラインストアです。ユーザー目線でこれだけ丁寧に和紙について紹介してくれているメディアは他にはありませんね。
2.阿波和紙を製造・販売 アワガミファクトリー
「アワガミファクトリー」は1,300年の歴史を持つ阿波和紙のブランド総称です。機械漉き、手漉き両方を行っているため、幅広い和紙を製造することができます。特に写真家や作家などのアーティストから好まれています。
3.老舗小津和紙の「紙市楽座」
「紙市楽座」は1653年創業の江戸時代から続く老舗の小津和紙の通販サイトです。特定の和紙だけではなく全国規模で取り扱っていますのでお気に入りを見つけやすいのが特徴です。東京日本橋には実店舗も構えています。
4.越前和紙を製造・販売 紙和匠(かみわしょう)
「紙和匠」は1,500年の歴史ある越前和紙の故郷から和紙の情報を発信。手漉き・機械漉きにとらわれず、女性目線で開発した商品の数々は魅力的です。フォト和紙では温かみのある写真をプリントすることができます。
5.伊勢和紙を製造・販売 大豐和紙工業株式会社
「大豐和紙工業株式会社」は三重県伊勢市で漉かれた伊勢和紙(いせわし)を製造・販売しています。神宮御用紙奉製所であり、三重県指定伝統工芸に認定されている歴史ある企業です。
どれにしようかと迷ってしまうときには
実は和紙の産地は日本全国にあります。ちょっと多すぎてどれが良いかわからないなぁという方は、和紙の専門店「うるわし」さんが提供する「和紙のお試しサンプルセット」やアワガミファクトリーさんの「AIJPサンプルパックプロ」、大豐和紙工業株式会社さんの「伊勢和紙Photo・バラエティセット」等がおすすめです。印刷などを試してみてください。
デジタル時代の写真表現×和紙
写真とはテクノロジーであり、科学であり、光学です。また芸術でもあります。撮影者が鑑賞者に届けるまでには大きく3つに分けられます。「撮影」→「現像」→「プリント」です。この、最後のプリントの部分で和紙を使うことにより、通常の洋紙では表現できない展開・進化が期待できるのです。ゴールから逆算するならば、和紙に合うテーマで撮影してみようとなりますね。
和紙、世界の宝に ユネスコ無形遺産に
2014年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」について無形文化遺産に登録されました。和紙は決して懐古主義ではありません。一般的に紙の耐久性は和紙1000年、洋紙100年と云われています。せっかく私たちのすぐ側には、優れた日本古来の紙があるのですから、日本人が有効活用していければ望ましいですね。
まとめ
ペーパーレスの時代だからこそ和紙の温かみを強く感じることができます。これは感覚的な話であり、科学的ではなく直感に過ぎないのですが、私はハンドメイドや丹精込めて作られた物にはエネルギーが込められていると感じています。その見えないけれども確かにあるエネルギーが表現としての付加価値となる。なんてメルヘンかつファンダジーなことも考えながらも、自分の表現手法を広げてゆければ素敵ですね。