紅葉色付く秋の日本を感じ風流に自己の内側を描写する
移り変わる季節
目次
鈴虫の鳴き声。澄んだ夜空。色付く紅葉。秋は多くの日本人が写真に残したいと思う季節です。四季折々の姿を少しでも思い通りに表現する為に、撮影者はどのようなことを考えて行動しているのでしょうか。普段はあまり書くことがない撮影者の視点や、移り変わる秋の季節を楽しむためのアイデアをご紹介致します。
秋ここに / Fall Leaves (Rendition)
この場所はまだ紅葉の見頃を迎えていませんでした。せっかく遠方まで足を運んでも、天候や気象条件などによってイメージ通りの画とはならないことがありますね。それならば、この場所にある資源だけで演出をしてみよう。秋ここに。
おとぎの国へ / To the Fairy Tale
写真をご覧になってくださる方の心を踊らせ、なおかつ自分自身を楽しませるためには何が必要だろう。行動基準は「風流」。中世以後の日本において高揚した美意識の1つです。まるで、日本のおとぎ話の世界へ訪れたような情景を感じたくて向かった場所。被写体と対峙した瞬間がいちばん、わくわく・どきどきするのですよ。
写真家の夕暮れ / Photographer in the Sunset
清少納言は枕草子の中で、「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いとちかうなりたるに、からすのねどころへ行くとて三つ四つ、二つ三つなど飛びいそぐさへあはれなり」と記しています。情緒的な秋は夕暮れがいちばん良いと感じていたようです。同じ想いを抱くのは、私たちが過去から未来へ続く風土や価値観の中で生きているからでしょうね。
三重奏 / Trio
美しく色付いた木々が幻想的な風景に移り変わる秋の季節。真っ赤に染まる木々たちは、今宵の宴を楽しんでいるかのようでした。写っているのは2本のもみじですが、あなたや私という撮影者の視点が加わることによって、ピアノ、ヴァイオリン、チェロが三重奏を奏でるように協奏曲となるのです。
秋を歩く / To Walk The Fall
美しい四季の国に生まれた私たちは、色付く自然の雅を楽しむことができます。日本の麗しい秋にいざなわれ、訪れた場所で和らぎを感じた感覚を写真に描写します。きっと来年の私も和らぐ自然の情景に心ときめくのだと思います。
晩秋 / Late Autumn
平凡な日々、繰り返される生活。そう感じてしまう中にも美しい瞬間があります。幸せは身近にあるのに忘れがち。そのような時には、視点を変えてすぐ側にあるものを見つめてみます。そこには少年時代から好きな黄色の落ち葉を見つけることができました。
愛犬視点 / My Dog Perspective
写真の面白さは時間や空間の切り取りです。例え同じロケーションや被写体を撮影しても、人それぞれ異なります。十人十色、百人百様、千差万別ということですね。君にはどのような世界が広がっていたのだろう。たぶん、こんな感じに見えていたのかな。
探検者 / Exploration
紅葉は落葉植物の葉が落葉するに先立って赤または黄に変わります。繰り返される季節の彩りを探し撮影をすることは、体と心に良い影響を与えてくれるのですよ。
夕暮れドライブ / Dusk drive of Mt. Fuji
秋の夕暮れ富士は夏の夕焼けのように明るく鮮やかな色ではなく、繊細なニュアンスの色彩が重なり合った落ち着いた和色。私はあなたと美しい秋の和色の夕暮れ富士を楽しみます。
最後に
例え風光明媚な場所ではなくとも、身近な場所にも移り変わってゆく秋のシャッターチャンスがたくさんあります。あなたが写真撮影をはじめるようになると、今までの価値観と違ったものの見方が出来るようになります。何気なく見てきた情景や当たり前に感じていた瞬間がキラキラと輝いて見えるようになるのです。それが撮影によって得られる新しい気付きなのかもしれませんね。写真は人生を豊かにしてくれます。是非、あなたが感じる秋の視点を撮影されてみてくださいね。楽しみにしています。