自然と共にドラマティックに奏でる野外撮影の時間帯テクニック
光に気付くと写真を変えられる
目次
「撮影した写真がどうも納得がいかない」とお悩みではありませんか? それは解決させることができます。写真の印象は光の捉え方で大きく変えることができるのです。室内・野外を問いません。野外撮影で光源となるのは太陽の光です。実は、光には良い光や悪い光という区別はありません。表現意図に合っている光こそが選ぶべき光となります。ここでは、魅せる写真撮影テクニックにおける、各時間帯によって変えられる光の表情をお伝えいたします。
南中高度
太陽の高さは季節と時間帯によって変わります。太陽が一番高く昇っている状態を南中高度と言います。南中高度は11時~13時となり、光の射し方が「トップ光」となります。トップ光は被写体に直接陽が当たりますので、ハイライト部とシャドー部に分かれ真下に強い影を落とします。このように光を知ることで上手に活用することができるようになります。
季節ごとの太陽の日周運動
1.朝の光 (夜明け・日の出・来光)
朝日は生まれてくる新鮮な光。私たちに感動的な瞬間を体験させてくれます。水平線や地平線から昇る太陽には撮影者と鑑賞者(受け手)を喜ばせるドラマティックな光に包まれます。朝日を浴びるとセロトニンが増え、幾つになっても若々しくいられるメリットもあります。
1-1.Summer Vacation / 夏休み
1-2.Sunrise of Grassland in Autumn / 草原の朝
2.午前の光
下に向かって咲く花の場合、間下に強い濃い影を落とします。ゆえに、表現意図と異なる場合には朝7時~10時くらいの時間帯に撮影するのが適しています。人出も少なくゆっくりできますし、午前中に太陽光を20~30分浴びるだけでBMIの値を低くすることができ、痩せ体質にもなれるという実験結果も明らかになっているのですよ。
2-1.Roses and Rose petals / 春にそっと
2-2.Memories of Field Mustard / 思い出の菜の花畑
3.午後の光
午後の光は昼間と言われる太陽の状態。お昼の1時~2時くらいの時間帯です。人工光では斜め45度の基本的なライティングパターンです。光と影のバランスが良く「斜光」として多くの方に好まれていますね。被写体の左右どちら側かに影ができます。立体的に見せることができる光です。
3-1.Japan’s Retail Trade / 和の香り
3-2.National Flower of Japan / 国花 (ざる菊)
4.夕方の光 (夕日、黄昏、日暮れ)
夕日は沈みゆく光。朝の生まれてくる光とは異なり消えゆく光です。それゆえ二面性があると言えます。物事は何でもそうですね。夕暮れの時間帯はどことなく儚く情緒的に表現することもできますし、1日の充足感を穏やかに写すこともできます。今日のあなたは夕暮れ時に何をどのように感じたでしょうか。是非、内面を表現してみてください。
4-1.Shadow of the Cat Ear / 影にほほえみ
4-2.To You and the Ocean / 君と海
5.夜の光
被写体に照明や光が当たることで、暗闇の中に美しい夜の表情が浮かび上がります。日中とは異なる表情で世界を彩ってくれます。夜のライトアップは自分好みの表現をしやすいというメリットもありますね。あなたはどんな夜が好きでしょう。ロマンティックやクールにも優しくも写すことができます。
5-1.Mecca for Lovers / 恋人達の聖地
5-2.Heart of Reflection / 心の反射
ブルーアワーとマジックアワー
ブルーアワーは日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯。マジックアワーは日没後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指します。もし、「たった1枚で私たちの大切な場所を表現してください」という撮影依頼が届いたら、この記事の表紙の写真のように撮影するだろうと思います。たった1枚に深さを込める際には思い出してみてください。
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最後に
写真撮影の魅力とは、その時をずっと感じていたいという瞬間や場面を形に残せる喜びだと考えます。思い出の一つひとつをいつまでも大切に残せる価値を持っているのです。記憶に残すだけよりも写真としても記録する方が、後から見返すことでその日の思い出や前後の記憶を鮮明に蘇らせることができます。それが写真の最大の魅力だと感じています。ゆえに、上手い下手など関係ありません。あなたは特別な存在。世界にたった1つしかない輝くジュエリーです。光に気付き自信を持って、あなただけの視点を届けてみてください。きっと共鳴してくれる方が現れます。